東京⇔青森夜行バス 激レア体験談 その1

東京⇔青森夜行バス 激レア体験談 その2
東京⇔青森夜行バス 激レア体験談 その3


東京で働いていて青森に恋人がいたときの話。
遠距離恋愛だったので、どちらかが行ったり来たりしなければ会えなかった。
恋人は青森で一人暮らし。
私は東京で実家暮らし。
実家暮らしをしているとそれほど出費もないので(ちゃんと家にお金は入れていたよ)金銭的に余裕があった私が2週間に1度、夜行バスを使って恋人に会いに行くというのが定番だった。
2週に1度東京青森を往復していると言うと結構驚かれるが、1週目は地元の友人と会ったり一人で過ごし、次の週は恋人に会いに行くというリズムができると特段苦でもなかった。

恋人に会いに行く週末のスケジュールは、こうだ。
金曜の夜、仕事が終わったらどこかでご飯を食べ、夜行バスに22~23時頃乗車し、青森駅に朝9時頃到着。
日曜の夜まで恋人と過ごし、夜行バスに20時頃乗車し、新宿駅には朝5時頃到着。コンビニで朝ごはんを買い、マンガ喫茶の3時間パックで朝食、メイク、仮眠をとる。そのまま出勤。

…というスケジュールをこなして(笑)いた。
若かったからできていたのだと思う。
今考えると結構綱渡りなスケジュールを組んでいたものだ。
が、ありがたいことに、それほど夜行バスの運行スケジュールが狂うこともなかった。

それほどは。

これまでに3回、「なんだそりゃ!」という体験を夜行バスでしたことがある。
当時ははた迷惑な話だな!と思っていたが、これが結構面白いのだ。

バスの乗客のうち、ちらほらとはグループやカップル、友達同士の席で喋ったりしている客はいるが、大半が一人の客だ。
東京駅を出発して、最初のうちはワイワイおしゃべりをしている席もあるが、高速に乗ってしばらくすると消灯になり大半は寝静まる。
私も円座シート、ネックピロー、アイマスク、マスク、耳栓、足の裏にはホッカイロを貼り(冬だけ)、貴重品が入ったバッグはおなかに抱えて上からブランケットをかけ完全防備で眠りに入る。
私の隣の席の人はさぞかし怪しんだことだろう。


私が利用していた夜行バスは4列シートで男女混合、トイレはついていない。
その代わりに破格の値段で乗れるのだ。
東京から青森までは10時間程度。
バスにトイレがついていないので、2時間半~3時間に1度はトイレ休憩でサービスエリアやパーキングエリアに立ち寄る。
きついと感じる人には結構きつい環境なんだろうが、私は慣れっこだった。

そのサービスエリアトイレ休憩で起こったハプニング。
眠い目をこすりながら私もトイレを済ませ、席に戻り、バスの発車を待っていた。
出発時間になり、乗務員が乗客の数を数える。
OKとなり、バスは発車し、高速道路に合流。
すぐに消灯となった。
うとうとしていた頃、サービスエリアを出発して30分ほど経っただろうか。
急に車内が点灯し、アナウンスが流れた。
「お、お客様にお知らせいたします。先ほどのサービスエリアに、お客様を1名、置いてきてしまいましたので、次のインターチェンジで降りて、引き返します。大幅な遅れが見込まれますが、どうぞご了承願います。」

といったもの。
…はぁ?
いやいや、発車前点呼してたじゃない?
カチカチなるやつ使って。(数取器・かずとりき というらしい)
「いち、に、さん、」とか言ってたじゃない乗務員さん。
そんで、隣の席の人!発車する時、隣の席いないの気づくでしょうよ!
乗務員に「隣いませんけど」って声かけてたらこんな悲劇は起きなかったはず。
そこにいた乗客全員が「なんじゃそりゃ!」と思っていただろう。



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しかしバスは無情にも、最寄りのインターチェンジを降り、Uターンして反対方向の高速道路に乗る。
車内は、何組かが文句を言ったり話をしていたが、大半は一人客なので、ほぼ静まり返っていた。
が、気が立っていて寝ている場合ではない。
私は後方の席に座っていたが、前方の客の一人が席をたち、乗務員のいる運転席に乗り込んでいった。
「あんたたちのミスじゃないか」
「仕事で急いでいるんだ、遅れては困る」
「あんたたちの会社でタクシーかなんかを手配して別行動させろ」
などと言っていた。
(私はそうだそうだ!と、心の中で応援していた。)

乗務員は二人いたので、1名は運転、1名はその客の対応をしていた。
乗務員は何度か誰かと電話をしていた。
本社か置いてきてしまった客との通話だったと思う。
問答の末、結局乗務員は方針を変えず、「私どもは本社からの指示で動いております」の一点張り。
運転席に乗り込んでいった客も、納得できないという様子でしぶしぶ自席へ戻っていった。

目的のサービスエリアを通り過ぎ、その先のインターで降り再度Uターン。
客を置いてきてしまったサービスエリアに到着。
置いて行かれた客は、それはもう所在なさげに、頭を下げながら自席へ戻っていった。
おそらくその場にいた全員がその客を冷たい目で見ていたのだと思う。
自業自得なので同情の余地はないが。

最終的にバスは3時間遅れて目的地に到着した。
海外だったら暴動が起きるのではなんて考えたりもしたが、乗客たちはモヤモヤした気持ちを抱えながらも受け入れて?バスを降りて行った。
私を含めて。

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今回の教訓
・周囲に無関心すぎると稀に自分も痛い目をみることがある。

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